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ショウセツ、ショウセツッテ、バカニスルナ!

「朝鮮や中国の女たちの、兵隊に対する話し言葉は、乱暴で、知らない者が聞いたら、無礼な感じさえ受けるかも知れないが、兵隊たちにとっては、その乱暴な言葉づかいに、身内がぞくぞくするような親近感を覚えるのである。」(『女拓』田村泰次郎、中央公論社、1964、p15)

これは田村泰次郎が自分の女性遍歴を綴った『女拓』のなかの『春婦伝』の春美のモデルとなった「アリランの女」からの一節であるが、『春婦伝』の中で「乱暴な言葉づかい」で討伐から帰ってきた兵隊を迎えるシーンで「身内がぞくぞくするような親近感」を感じさせる描写がある。


「(略)やがて、尖兵がはいってくる。そのなかには、彼女たちの知った顔の兵隊を見つけると、『おい、オレのスーちゃん、元気か』とか『吉田は生きとるか』とか、『青木は達者か、死んどらんだろうな』と口々に騒ぎたてる。
(中略)
彼女たちの叫びに、『ちえっ、お前の彼氏は死んだよ』とか『死んだ、死んだ、女に持てる奴はみんな死んだ』などと、どなりかえしながら、目の前をすぎていく。どの顔も疲れてはいるが、生きてきた歓喜にかがやいているようだ。彼女たちは、そんな兵隊の冗談にほっと安心しながら、それでも本隊の到着までは一抹の不安からのがれられない。
 本隊が着いて、男の顔が見えると、彼女たちは『おう』と、唸るような叫びをあげて、『青木、今晩こいよ、可愛がったるぞ』とか『吉田、あとから、飲みにこい』とか声をかける。『俺もいくぞ、酒用意しとけ』などと、そばの兵隊がひやかすと、『馬鹿、助平』とやりかえす。兵隊たちはどっと笑う。彼女たちは本気になって怒っている、兵隊たちは、けれどそんな冗談のやりとりで、討伐の苦労がすうっと消えるのを感じるのである。」(『春婦伝』田村泰次郎~Kindle版『肉体の門』筑摩eブックス)、(『春婦伝』田村泰次郎、銀座出版社・昭和22年、p41ー42)

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テーマ:従軍慰安婦性奴隷制問題 - ジャンル:政治・経済

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